そこにいたことをここに
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新感覚・音楽朗読劇 READING HIGH 『Homunculus ~ホムンクルス~』上映会を終えて
再び目にするクライマックスに唇をきゅっと引き締めました。感情は涙のみならず、声としても溢れ出してしまいそうで、こらえるのに必死でした。
ハンカチを忘れたのは失敗だったなぁ、なんて、感じるくらいに頬は濡れていて、涙が滴り落ちた先も濡れていて。劇場を出てからもなんだか泣きそうで、誤魔化すようにそっと下を向きました。
美しかった、と思いながら、向かった調布の駅前は、訪れない間に様変わりしていました。
この二ヶ月間、理不尽な現実を呪ってきました。
今日この上映会に参加したのは、この作品自体を好きになっていたからでしたが、そもそも最初に、本公演に足を運んだのは、梅原裕一郎さんが出演されていたからでした。
私の一番好きな、限られた財布の中身から少なくないお金を払ってでも、そのお芝居を見に行く、唯一の役者さんです。
十二月に生で公演を見た際、今までで一番の彼のお芝居を見たかもしれないと思いました。もっとたくさんの人に見てほしいと思いました。
その後決まったCSでの放送、は契約していないので見ることが出来ませんでしたが、とにかくCSでの放送があり、そしてこの上映会も決まり。これまでより多くの人の目に触れ、そして自分も再び目にすることが出来る、喜ばしいはずの事態を、けれど私は、心から喜ぶことは出来ませんでした。
今見たらきっと泣いてしまう。十二月にも泣いたけど、それとは違う意味でも、辛くてきっと泣いてしまう。
そう思ったその「今」も、そして今日も、梅原さんは声優業を休業されていました。
入院と休養が発表されてから、もう二ヶ月が過ぎていました。
間違いなく大事な時期なのに、突然病魔に侵されて。射止めた役を全う出来ず代役が立てられていく様をいくつも見せられて。なんでこんなことになったんだろうと、繰り返し繰り返し嘆き苦しみました。一番苦しいのはもちろんご本人ですが、私が苦しいのも、私にとってはあいにく無視出来ない事実でした。
復帰がいつになるのか、今彼がどんな状況にあるのか。何も分からなくて、ただ時間だけが過ぎて、抱いた希望が次々に打ち砕かれるうちに、そんな現状に対して何を望んでいいのか分からなくなりました。
しっかり休んでほしい、だけど早く帰ってきてほしい。でもそうしたくても出来ないのであれば、早くなんて言いたくない。だけどこれ以上仕事に穴を開けさせたくない。
そんな葛藤にも疲れて、ただ、現実って、世界って理不尽だなぁ、残酷だなぁと、感情の消えた目で思うだけになりつつありました。
だけど、世界は理不尽なだけでも残酷なだけでもありませんでした。
重たい気持ちはありながらも、それでも見たくて、チケットを取って迎えた今日、上質なお芝居に、演奏に、演出に、触れた瞬間涙が溢れ出しました。
こんなに美しいものが生まれ得る世界だった。大げさなようですが、そう感じている私がいました。
その事実を思い出せたことで、救われたような気持ちになりました。舞台を彩るドットイメージの光が、今生きている日々にも射し込むようでした。
救われながら作品に没頭していき、スクリーンを見つめている間、不思議と、想定していたような辛さはありませんでした。
この二ヶ月間、正直梅原さんのことがのしかかって、出演されている作品を純粋には楽しみきれていない自覚はあったので、今だけかもしれませんが、その状態から少し離れられたのは良かったなと思います。
「私好みです」
梅原さん演じるユリウスの、最後の凛とした瞳が目に焼きついています。生ではない代わりにその表情まで見られた、ただの追体験ではない上映会でした。
絶対にまた、何度だって舞台に立ってもらいたい。改めてそう思いました。ユリウスのお芝居は素敵でしたが、これからもどんどん、それを越えていってもらいたいです。
その道のりの始まりに辿り着くまで、また明日からも耐えていきます。その勇気は今日、ここで確かに補給出来ました。
ハンカチを忘れたのは失敗だったなぁ、なんて、感じるくらいに頬は濡れていて、涙が滴り落ちた先も濡れていて。劇場を出てからもなんだか泣きそうで、誤魔化すようにそっと下を向きました。
美しかった、と思いながら、向かった調布の駅前は、訪れない間に様変わりしていました。
この二ヶ月間、理不尽な現実を呪ってきました。
今日この上映会に参加したのは、この作品自体を好きになっていたからでしたが、そもそも最初に、本公演に足を運んだのは、梅原裕一郎さんが出演されていたからでした。
私の一番好きな、限られた財布の中身から少なくないお金を払ってでも、そのお芝居を見に行く、唯一の役者さんです。
十二月に生で公演を見た際、今までで一番の彼のお芝居を見たかもしれないと思いました。もっとたくさんの人に見てほしいと思いました。
その後決まったCSでの放送、は契約していないので見ることが出来ませんでしたが、とにかくCSでの放送があり、そしてこの上映会も決まり。これまでより多くの人の目に触れ、そして自分も再び目にすることが出来る、喜ばしいはずの事態を、けれど私は、心から喜ぶことは出来ませんでした。
今見たらきっと泣いてしまう。十二月にも泣いたけど、それとは違う意味でも、辛くてきっと泣いてしまう。
そう思ったその「今」も、そして今日も、梅原さんは声優業を休業されていました。
入院と休養が発表されてから、もう二ヶ月が過ぎていました。
間違いなく大事な時期なのに、突然病魔に侵されて。射止めた役を全う出来ず代役が立てられていく様をいくつも見せられて。なんでこんなことになったんだろうと、繰り返し繰り返し嘆き苦しみました。一番苦しいのはもちろんご本人ですが、私が苦しいのも、私にとってはあいにく無視出来ない事実でした。
復帰がいつになるのか、今彼がどんな状況にあるのか。何も分からなくて、ただ時間だけが過ぎて、抱いた希望が次々に打ち砕かれるうちに、そんな現状に対して何を望んでいいのか分からなくなりました。
しっかり休んでほしい、だけど早く帰ってきてほしい。でもそうしたくても出来ないのであれば、早くなんて言いたくない。だけどこれ以上仕事に穴を開けさせたくない。
そんな葛藤にも疲れて、ただ、現実って、世界って理不尽だなぁ、残酷だなぁと、感情の消えた目で思うだけになりつつありました。
だけど、世界は理不尽なだけでも残酷なだけでもありませんでした。
重たい気持ちはありながらも、それでも見たくて、チケットを取って迎えた今日、上質なお芝居に、演奏に、演出に、触れた瞬間涙が溢れ出しました。
こんなに美しいものが生まれ得る世界だった。大げさなようですが、そう感じている私がいました。
その事実を思い出せたことで、救われたような気持ちになりました。舞台を彩るドットイメージの光が、今生きている日々にも射し込むようでした。
救われながら作品に没頭していき、スクリーンを見つめている間、不思議と、想定していたような辛さはありませんでした。
この二ヶ月間、正直梅原さんのことがのしかかって、出演されている作品を純粋には楽しみきれていない自覚はあったので、今だけかもしれませんが、その状態から少し離れられたのは良かったなと思います。
「私好みです」
梅原さん演じるユリウスの、最後の凛とした瞳が目に焼きついています。生ではない代わりにその表情まで見られた、ただの追体験ではない上映会でした。
絶対にまた、何度だって舞台に立ってもらいたい。改めてそう思いました。ユリウスのお芝居は素敵でしたが、これからもどんどん、それを越えていってもらいたいです。
その道のりの始まりに辿り着くまで、また明日からも耐えていきます。その勇気は今日、ここで確かに補給出来ました。
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