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音楽朗読劇 READING HIGH 第3回公演『Chèvre Note~シェーヴルノート~』~Story from Jeanne d'Arc~を観て


藤沢文翁『シェーヴルノートができるまで』





12日昼公演をまず現地で観劇しました。
冒頭に、そして物語が進んでからも、キャスト発表時の藤沢さんの言葉と「人間兵器」などのワードから想像していたものとは明らかに毛色が違うラ・イルの役柄に、何度も衝撃を受けました。
ホンが書かれた時期と梅原さんの出演が確定出来た時期が不確かなので、ラ・イルも確実に当て書きだったのかは分かりませんが、彼に演じられることが望まれた人物であったことは確かで、それがこう来るのか、と。
下ろされたままの幕の中に見える、声を荒らげて揺れる影に、目を奪われました。

ある種メタ的な構造の話だったこともあって、そして彼と「記憶」については、以前明かされていた入院当初の病状のことがあまりに痛々しく焼き付いていたので、ラ・イルとラボラスの会話にはなんだか作中のもの以上の意味が隠されているような気がして、勝手にハッとしてしまいました。
ラ・イルの最後の独白にも、胸を締め付けるものと共に演じる彼“っぽさ”もどこか重なるような気がして、ひょっとして、ネタバレありで役について語れるのなら、以前のインタビューとはまた違った言い方になるんじゃないかとふと思わされました。インタビューでも共通点が「ない」とは言い切っていませんでしたし。

声質や役柄の性質などをすべてごっちゃにしているので厳密さに欠ける物言いですが、いい芝居と一言で言っても、ストレートな芝居やアニメっぽさのある芝居、どこにも属さない個性的な芝居といろいろあって、そのいろいろが入り乱れていた場であったこと、そういった名役者たちであったことに、興味深さを覚えました。
そしてそれにより紡がれた物語にも、胸を打たれて涙が溢れました。
ただ、円形に張り出したステージの向かって左寄りの場所から見ていたため、一部の演出が意図された形では見られなかったなという感想は持ってしまったので、そしてやっぱり、表情も見たいと思ってしまったので、その二点に期待して、翌日は千秋楽のライブビューイングに向かいました。

キャストのコメント動画ののちに始まったライブビューイングは、期待した通りの補完をしてくれたのに加えて、役者の生をひしひしと感じさせてくれました。
芝居や舞台はよく「生き物」と形容されますが、明確にそれを理解したのはこの日が初めてだったかもしれません。昨日とは違う芝居だと、より役者の感情が強まった芝居だと、表情という情報が加わったことはその印象に大きく影響しているとは思いますが、決してそれだけが理由ではなく、身をもって感じられました。
最後の沢城さんの涙と終盤の梅原さんの表情が、胸に響いて、目に焼き付きました。



彼らは声の役者だから、声だけでもちろん人を惹き付けますが、その声に感情を、魂を込める姿もまた、どうしようもなく人の心に訴えかけるものがありました。
「目の前に立っての芝居と言えど、声の役者に対して表情も見たいと思ってしまっていいのか」。自分の感情に対してふと湧いたそんな問いには、劇場で目にしたその事実をもって堂々と答えられるのでしょうし、「役者自体を好きと言っていいのか」という問いに対しても、答えの一つとしてきっと機能するのでしょう。

改めて声に惹かれて、やられることは多くないけれどやはり気弱な芝居もとても光ると感じて、ぶつかり合う全員の名演を浴びた、そんな二日間でした。
またこうした場があることを、それに値する役者として全員がこれからも輝き続けていくことを、輝きを増していくことを、切に願っています。
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防衛部から声優のオタクも兼業し始めたアニメオタク。ときどきイベントに参加します。
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